2007年06月17日

いざ鎌倉へ:第十回・杉本寺

鎌倉のお話、10回目は杉本寺(すぎもとでら)です。

杉本寺は、734年(天平6年)に行基によって創建されたと伝えられています。行基創建というのは少々眉唾としても(行基創建伝説はそこいら中にあるので)、その後に慈覚大師円仁や恵心僧都(源信)などとも関わりがあるところをみると、奈良時代まで遡れるかは判りませんが、今の鎌倉市内では最古の寺院だ、とは言えそうです。

杉本寺は「杉本観音」と呼ばれることもあります。こちらには「行基作」「慈覚大師作」「恵心僧都作」とされる十一面観音菩薩があり、さらに「運慶作」とされる十一面観音菩薩もあることから、そのように言われるようです。
杉本寺には火事に関する伝説があり、1189年(文治5年)にここで火事が起きた際、本尊が自ら歩いて大杉の下で火を免れたことから「杉本寺」と呼ばれるようになったと伝えられています。


伝承の真偽はともかく、このときに仏像が難を逃れたことから、源頼朝が復興にあたり内陣を造り、その中に「行基作」「慈覚大師作」「恵心僧都作」の十一面観音菩薩を置いたということにつながっていきます。また、「運慶作」の十一面観音菩薩はこのときに置かれたとされています。 杉本寺はこのように仏像に恵まれた寺ではありますが、仏像は当然写真に撮れるものではありませんし、他にも見どころがありますので、それを順に見ていきたいと思います。


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2006年12月31日

いざ鎌倉へ:第九回・浄妙寺

「いざ鎌倉へ」の第九回目は、浄妙寺(じょうみょうじ)を取り上げます。

浄妙寺は、源頼朝の臣下にあって一族と同等の扱いを受けるほどの有力な御家人であった足利義兼が、1188年(文治4年)に行勇律師を開山に迎えて創建した「極楽寺」が始まりとされています。
創建当時は密教系(現在の真言宗系か)の寺院でしたが、建長寺開山蘭渓道隆の弟子・月峯了然が住職となってから禅寺に改めた、とされています。ほぼ同じ時期(1257年頃(正嘉年間))に、寺名を現在の浄妙寺に改めています。
もっとも、開山の行勇律師も、栄西のもとで臨済禅を学び、後に寿福寺第二世住持になったとされていますから(寿福寺も密教系から禅宗に転じた寺院です)、浄妙寺にそもそも全く禅の影響がなかったということはできないのかもしれません。
栄西の頃は、禅が日本に入ったといっても、栄西が建立した当初の建仁寺が「三宗兼学の寺」であったように、禅宗は当時の仏教の中では一つの学問のあり方に過ぎず、蘭渓道隆が建長寺で初めて「禅の専門道場」を開いたのですが、浄妙寺の「宗派の変更」もちょうど同じ時期であり、蘭渓道隆の影響の強さがうかがい知れるところではあります。

浄妙寺はその後すぐに一旦荒廃したようで(火災があったかと思われます)、中興開基として足利貞氏(足利尊氏の父)の名前が出てきます。
1386年(至徳3年)の足利義満による「五山の制」で鎌倉五山の第五位とされた頃には、七堂伽藍が完備し、塔頭二十三院があったということですが、その後火災や地震により衰微し、現在では本堂や総門などを残すのみとなっています。

浄妙寺には天正年間の頃に喜泉庵と呼ばれる茶室があり、僧が一同に茶を喫したということですが、その茶室が1991年(平成3年)に復興され、同時に庭園が造られました。その庭園を含めて浄妙寺を紹介します。


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2006年12月26日

いざ鎌倉へ:第八回・報国寺

「いざ鎌倉へ」の第八回目は、報国寺(ほうこくじ)を取り上げます。

報国寺は、1334年(建武元年)に足利家時(足利尊氏の祖父)を開基として、開山に天岸慧広(仏乗禅師)を迎えて創建された、とされています。
しかしながら、足利家時は1284年(弘安7年)に自害しており、実際の開基は上杉重兼である、という説もありますが、実際のところは良く分かっていません(開山も開基も、亡くなった人を法嗣や子孫が追請するということは、時折見られるところです)。

報国寺が「竹の寺」または「竹寺」と言われる所以は、かつてあった休耕庵という塔頭の跡に孟宗竹が生えて竹林となり、それを整備して竹の庭として現在に至っているからです。

しかし、報国寺は竹の庭ばかりでなく、他にも庭がありますので、そこまで含めて取り上げたいと思います。


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2005年01月30日

いざ鎌倉へ:第一回・瑞泉寺

「いざ鎌倉へ」第一回は、瑞泉寺(ずいせんじ)を取り上げようと思います。

瑞泉寺は、山号を錦屏山(きんぺいさん)といい、二階堂道薀を開基として、1327年(嘉暦2年)に夢窓国師によって開かれた寺院です。
その後、足利基氏(鎌倉公方)によって中興されて鎌倉公方足利氏の菩提寺となりました。
鎌倉の寺院はほとんどが関東大震災で壊滅的な被害を受けていますが、この瑞泉寺も例外ではなく、現在の建物はすべて大正以降の再建です。

瑞泉寺は、東国花の寺100ヶ寺の一つで、四季折々の花を咲かせることで有名ですが、瑞泉寺には、今日の禅院庭園の基礎となった庭園がありますので、そちらを中心に見ていきたいと思います。



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