2008年03月11日

京都の路地裏で「番外編」・相国寺開山堂

前回も「京の冬の旅」特別拝観で行った東寺小子房を取り上げたわけですが、今回も「京の冬の旅」で行った相国寺開山堂を取り上げます。

相国寺の開山堂は「開山塔」とも「一名円明塔」ともいいますが、いずれにしても相国寺の開山である夢窓疎石を祀るものとなっています(たとえ「追請開山」だとしても)。
建物自体は1807年(文化4年)に恭礼門院(桃園天皇皇后)の旧殿を下賜されたもので、特に注目すべきは円山応挙の杉戸絵ではないかと思います。特に小犬の絵は圧巻だと思います。


通常、開山堂そのものに前庭を造るのは一般的ではないに思われますが(例外として東福寺開山堂・普門院庭園や酬恩庵開山堂庭園など)、相国寺の開山堂は、単に庭園があるというだけでなく、その庭は珍しい「枯山水と池泉式の融合庭園」であり、こちらで取り上げるに相応しいものだと感じた次第です。


開山堂庭園は別名「龍渕水の庭」とも呼ばれています。
この名は、この庭に引き込まれていた水路の名に因んでいます。
龍渕水の意味は「龍が潜む淵」ということですので、法堂の龍に因んだ名前、ということでしょうか。


開山堂は真南に向かって建っていますが、東側の様子は普通の枯山水に見えます。
shokokujikaisando01.jpg
この南側、写真でみると右側から、水路が姿を見せます。

こちらから水が流れ込んできます。
shokokujikaisando02.jpg
こちらの川(の跡)が、前述の龍渕水です。今出川とはかつては川の名前であり、今の今出川通に沿って流れていたので、通りの名前が今出川通になったということです。

龍渕水は枯山水の庭を回りこむようにして流れています。
shokokujikaisando03.jpg
枯山水と龍渕水の間では、前者が池泉の存在などないかのような石組なのに対し、後者もいかにも水路の庭といった風情で、雰囲気が全く異なるのも面白いところです。

庭園の奥を悠々と流れた龍渕水は、庭の南側から外へ出て今出川に戻っていっていました。
shokokujikaisando04.jpg
今の様子からは想像し難いですが、昭和に入るくらいまではここを水が流れていた、といいます。

庭の全景です。
shokokujikaisando05.jpg
水の流れがないということで、角度によっては、一見すると完全な枯山水に見えます。
不思議なことです。

しかしながら、ちらちらと見える水路の跡が、ここがどのような場所であったかを再確認させてくれます。
shokokujikaisando06.jpg


相国寺の開山堂は、あまり開山堂らしくないと思わせる部分もあり、このあたりは足利義満の遺風なのかとも文化の中に埋没していった五山派の気風の残滓なのかとも思わないでもないところではありますが、そのような余計な考えを思い起こさせないほどに、枯山水と池泉の不思議なバランスを取った庭が素晴らしい場所ではあると思います。


2008年3月2日拝観(第42回京の冬の旅・非公開文化財特別公開)


−相国寺開山堂の概要−
宗派:臨済宗相国寺派
住所:京都市上京区今出川通烏丸東入上る相国寺門前町

−相国寺開山堂への行き方−
・京都市営地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩9分
・京都市バス51、59、102、201、203系統で、「烏丸今出川」バス停下車、徒歩9+分
・京都市バス59、201、203系統で、「同志社前」バス停下車、徒歩6分
タグ:京都
posted by karesansui at 22:28| 京都 | Comment(2) | TrackBack(0) | 京都(洛中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりの訪問となってしまいました

今回取り上げられた相国寺
金閣寺と銀閣寺を従える由緒ある寺院ですが
両寺院と比べると訪れる人が少なく落ち着ける場所ですね

独特の枯山水
堪能させていただきました
Posted by 雪だるま at 2008年03月20日 08:30
コメントありがとうございます。
> 雪だるまさん

相国寺は、方丈裏庭園も独特のもので、なかなか面白い庭だと思います。
ただ、こちらの開山堂は次回いつ公開か不明とのことで、今後いつ堪能できる日が来るのやら、といったところでしょうか。
Posted by karesansui at 2008年03月24日 23:24
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