2005年10月21日

京都の路地裏で「番外編」・知恩寺

番外編の5回目は、百万遍にある知恩寺(ちおんじ)を取り上げます。

知恩寺は、浄土宗の開祖法然上人が比叡山を下りて最初に居を定めた場所です。加茂の神宮寺、あるいは加茂の河原屋、加茂の釈迦堂と呼ばれていました。その後、法然上人が入滅(死去)された際、弟子の源智上人が師の恩徳を知るための寺、つまり知恩寺という名をつけて、一宇を建立されました。これが知恩寺の始まりです。
浄土宗はその後いくつかの流派に分かれますが、源智上人の系統はその弟子信慧上人の代に至り、記主良忠(浄土宗第三世)と東山で流派の校合をしたところ、全く異なるところがなかったので、以後は別の流派を立てないこととしたとされています(浄土宗ホームページより)。

当初の知恩寺の場所は、現在の相国寺の辺り(烏丸今出川)でしたが、足利義満の相国寺建立に際して移転を余儀なくされます。
その後、堀川中立売付近(元百万遍町の名があります)から御所の東側広小路へと移りましたが、1661年(寛文元年)の二条家より出火した火災で類焼したため、現在地に移りました。
当時の光誉上人は知恩寺中興の祖とされますが、それは光誉上人が江戸へ下って資金集めを行い、現在地における諸堂を整備したからです。

百萬遍」の名の由来は、1331年(元弘元年)に後醍醐天皇の勅命により、第八世善阿上人が百萬遍念仏行を行い、疫病を止ませたという故事に因みます。
後醍醐天皇は知恩寺に対して弘法大師御筆利剣の名号、大念珠とともに「百萬遍」の号を与えました。これが通称となり、地名となって現在に至っています。

知恩寺は通常、境内や御影堂を自由にお参りすることができますが、敢えて「番外編」で取り上げるのは、ほとんど知られていない知恩寺方丈庭園について紹介するためです。


まずは、三門の脇にある碑を紹介します。
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百萬遍念仏根本道場」とあり、百萬遍の名の由来の名残をうかがうことができます。

御影堂(みえいどう)です。
chionji02.jpg
1667年(寛文7年)の再建で、総欅造りになっています。
中には、法然上人の木像を安置しています。これは、数ある法然上人像の中でも最も古い部類のもので、室町時代の作といわれています。
また、大念珠も置かれ、毎月15日には写経会と「大念珠くり」が行われています。

阿弥陀堂です。
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西方浄土の仏様を安置するお堂なので、当然境内の西側に建っています。

釈迦堂です。
chionji04.jpg
阿弥陀堂と向き合うように、東側に建っています。
阿弥陀堂とは若干様式が違う建物になっています。

この中にある釈迦牟尼如来像は、知恩寺を代表する仏像で、知恩寺ホームページにてその端正な姿をうかがうことができます。


知恩寺の方丈と書院の間の中庭です。
chionji05.jpg
簡素な中にも趣のある、初夏であれば苔が美しそうな庭です。

そして、こちらが知恩寺の方丈庭園です。
chionji06.jpg
庭園の由緒や見立てについては全くうかがっていませんが、方丈側を此方、塀の側を彼岸とみる浄土的な世界観を表す庭園であろうと推測されます。

こちらの石組は、浄土への道のりを表すようにも、また浄土そのものにも見えそうです。
chionji07.jpg
そして、先ほどの写真の小さな石を浄土に向かう修行者のように見立てることもできそうです。

そんな話は抜きにしても、良く手入れの行き届いた刈込と白砂、苔の対比がとても落ち着いた、良い雰囲気のある庭にみせています。
chionji08.jpg

私は、この庭をしみじみと眺めて、時間を忘れそうになってしまいました。
ふとその時、この寺の和尚さんがやってきて、「いい庭でしょう」と笑顔で仰っていました。
ならば普段から公開すればとも思うのですが、やはり庭といえども見世物ではないので、その寺の考えというものは尊重されるべきなのかとも思います。
近年開催される「京都・今出川特別名宝展」では方丈庭園も公開されていますので、他の名宝ともども、じっくり味わっていただければと思います。
期間中、恒例の手づくり市(毎月15日)なども開催されます。


2001年11月3日拝観(第1回京都・今出川特別名宝展)
2006年10月29日拝観(第6回京都・今出川特別名宝展)


−知恩寺の概要−
寺号:長徳山功徳院百萬遍知恩寺
宗派:浄土宗
住所:京都市左京区田中門前町103

−知恩寺への行き方−
京都市バス3、17、31、65、102、201、203、206系統で、「百万遍」バス停下車、徒歩2分
京都バス18、51、55系統で「百万遍」バス停下車、徒歩2分
京阪電車出町柳駅から徒歩10分
ラベル:京都
posted by karesansui at 00:44| 京都 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 京都(洛中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by at 2006年03月28日 12:24
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