2005年09月30日

京都の路地裏で「番外編」・鹿苑寺方丈

通称・金閣寺こと鹿苑寺(ろくおんじ)は、それはそれは有名な寺で、私にはあまり語ることなどないはずではあります。

もっとも、鹿苑寺の公開範囲は極めて限定的でして、境内に入って通路を歩き、室町時代造営の池泉回遊式庭園をちょうど金閣をとりまくようにぐるっと歩き、金閣のまばゆさに感動して終了、というのがお決まりのパターンとなっています。

ところが、鹿苑寺には非公開になっている部分があって、たまに公開されています。
私も訪れる機会がありましたので、ここで紹介しておこうと思います。
が、その前に、鹿苑寺の歴史を振り返ってみたいと思います。

鹿苑寺の創建は1420年(応永27年)で、これは足利義満の死後、遺言によって北山第を禅寺に改めたものです。
北山第とは、義満が西園寺家から譲り受けた邸宅地に建設した別荘で、後年の義満は北山第で政務を行ったとされています。
金閣はこの北山第の舎利殿として建設されたもので、当初のものは1398年(応永5年)に完成しています。
その後、応仁の乱で金閣などを残して焼けたり、一時荒廃したりしたことはあったものの、方丈が1678年(延宝6年)に再建され、徳川家などの庇護を受けてそのまま現在に至る・・・はずでしたが、1950年(昭和25年)に、北山第唯一の遺構である金閣が放火で焼失しました。
現在の金閣は1955年(昭和30年)再建のものです。

ここでは、鹿苑寺の方丈庭園と池泉回遊式庭園としての鹿苑寺庭園を中心に紹介します。


こちらが「方丈庭園(南庭)」です。
rokuonji01.jpg
方丈再建時に作庭されたものと考えられ、石組がなかなか大振りではあるものの、桃山期のような勢いのある石組ではなくなっています。
rokuonji02.jpg
南庭ということで白砂が多く、方丈の横には玄関もあり、典型的な方丈建築、そして方丈南庭としての枯山水庭園ではないかと思います。

南庭を全景として眺めると、意外に狭く感じられます。
rokuonji03.jpg
これは、当時の鹿苑寺の状況(さほど裕福ではない)を表しているのかもしれません。

方丈西庭」です。
rokuonji04.jpg
白砂を境に向こうを浄土(彼岸)、こちらを此岸とみる、という意味では、ごくありふれた構図だと思います。

本来は金閣を借景にして見る庭園なのでしょうけれども、大抵は目の前を観光客が次々と通過するのが目に入ってしまい、借景としてじっくり鑑賞できないのが残念なところではあります。

方丈にある襖絵は、狩野外記によるものと伝えられています。
水墨によるもので、金閣のきらびやかさとは全く正反対であり、鹿苑寺の、外からはほとんど見られない「禅寺らしさ」を表しているように感じられます。


こちらは、鹿苑寺の中でも著名な「陸舟の松」です。
rokuonji05.jpg
こちらは松のほんの一部であり、全部を捕らえることは方丈側からは容易ではありません。
rokuonji06.jpg
とはいっても、かなりの観光客はこれを見逃しているのですけれども・・・。

何気なく通過してしまう鹿苑寺の庭園ですが、これだけの規模の池泉回遊式庭園が寺になった頃から(四代将軍足利義持は、義満を憎んでか、建物の大半を別の寺に移築してしまいました)ほとんど変わらず維持されているというのは大変貴重なことです。
rokuonji07.jpg
金閣ばかりではなく、その周囲の庭園にもしっかりと目を向け、味わうべきではないかと思います。
rokuonji08.jpg

鹿苑寺はあまりにも有名で、それ故に見逃されているところがあまりに多いと言えるでしょう。
殊に方丈は、鹿苑寺の禅寺としての一面を司っている場所と言え、義満のあこがれた西方浄土と禅、そして金閣と、この方丈を対比させて考えたとき、果たして義満の考えた西方浄土がここにあったのか、興味深く考えさせてくれる場になるのではないかと思います。


2004年2月21日拝観(第38回京の冬の旅・非公開文化財特別公開)
2008年4月29日拝観(方丈杉戸絵完成特別公開(主催:京都古文化保存協会))


−鹿苑寺の概要−
寺号:北山鹿苑禅寺
宗派:臨済宗相国寺派
住所:京都市北区金閣寺町1

−鹿苑寺への行き方−
京都市バス12、59系統で「金閣寺前」バス停下車、徒歩2分
・京都市バス12、59、101、102、204、205、快速205、M1系統で「金閣寺道」バス停下車、徒歩5分
タグ:京都
posted by karesansui at 00:00| 京都 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 京都(洛北) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
確かに金閣はあまりにスタンダードで、俗臭まみれみたいな感じがしますが、行ってみると鹿苑寺自体は壮大で思いがけないほど清々しいのですよね。
住んでいる強みで、雪の金閣も何度か見ました。やはりこれは京都の誇りのひとつでしょう。
思い出させてくれてありがとうございます(^^)
Posted by 龍3 at 2005年10月01日 23:50
コメントありがとうございます。
> 龍3さん
これだけのスケールの庭園を持つ禅寺は、天龍寺と鹿苑寺くらいですね。
雪の金閣は、住んでない私には逃してはならないチャンスでしたので、すぐさま東寺と鹿苑寺をハシゴしました(苦笑)。

鹿苑寺は、人がもう少し少なければと、いつも思います。
このスケールの中のディティールを細かく見ていくには、ちょっと騒々しいのが難点ですね。
Posted by karesansui at 2005年10月02日 00:35
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