2005年05月08日

京都の路地裏で:真如堂

47回目は、吉田山に程近い真如堂(しんにょどう)を取り上げます。

真如堂は、正しくは鈴聲山真正極楽寺(れいしょうざんしんせいごくらくじ)という天台宗の寺です。
984年(永観2年)に、比叡山の僧・戒算上人が、比叡山常行堂の本尊阿弥陀如来を現在地にあった東三條女院(藤原道長姉、一条天皇の母)の離宮に安置したのがその始まりとされています。

その後、応仁の乱で焼失し、京都市内数ヶ所を転々とした後、1693年(元禄6年)にようやく現在の地に再建されました。

真如堂は紅葉、桜の隠れた名所としても知られています。
また、本堂の奥には素晴らしい庭園が隠されていて、あまり一般には知られていないと思います。
その「隠れたる」桜と庭園を中心に書いてみたいと思います。


まずは、桜から。
参道を上がる前から桜が迎えてくれます。
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そしてまた、本堂も桜に彩られています。
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境内はまるで桜のトンネルのようです。
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中でも、「たてかわ桜」は幹の皮目が縦になっている珍しい桜です。
shinnyodo04.jpg
この桜は春日局お手植えと伝えられるもので、真如堂には春日局の父の齋藤利三(明智光秀の家老。山崎の合戦後捕らえられて打ち首となった)が眠っており、その由縁でこちらに桜が植えられたものです。

また、三重塔を隠すに桜もまた圧巻です。
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桜の鮮やかさと塔の重厚さがコントラストを成している、春だけの風景です。

真如堂ではいたるところに桜が植えられ、また、紅葉もいたるところに植えられているので、こんな「緑と薄紅」の混じりあいも楽しむことができます。
shinnyodo06.jpg
このような風景も春独特のものでしょう。
これが初夏になると、桜の葉の緑も相まって、緑一色になります。


さて、庭園。
真如堂の庭園は本坊にあります。
こちらは、本坊南側の庭です。
shinnyodo07.jpg
灯籠には仏像が彫られ、珍しい植物(シャシャンポウなる石楠花科の植物)も植えられています。

さて、真如堂の主庭(本坊東庭)は「涅槃の庭」といいます。
真如堂では、3月に大涅槃図を公開していますが、その涅槃図にあやかった庭園なのかもしれません。
shinnyodo08.jpg
釈迦の涅槃を題材として、涅槃のときの構図そのままに北枕で西向きに寝るかのような石組になっています。
となると、周りの石はお釈迦様の弟子であったり、衆生であったり、動物であったりするわけです。
新しい庭で、少々絵画的に過ぎる部分はあると思いますが、大胆な石組で見事に涅槃の様子を表していると思います。

そして、この庭のもう一つ素晴らしいところは、比叡山や東山、殊に大文字山を借景とする庭園であるところです。
円通寺の回で「借景は壊れやすい」と書きましたが、こちらの借景は、真如堂が白川通からかなり高い位置にあることもあって、簡単には壊れません。
借景が、涅槃の庭にさらなるアクセントを与えていると思います。

また、東山連峰の山並みもまた涅槃の構図に見えるという、二重の意味で「涅槃」を意味する庭園でもあります。

これに東の空から上る月、はたまた五山の送り火などが加わったら、本当に涅槃図の世界になろうかと思います。
大涅槃図を持つ寺に相応しい庭園ではないかと思います。

人の命は儚いものですが、すべての人の死が、せめてこの涅槃の庭のように、安らかであってほしいと思います。


−真如堂の概要−
寺号:鈴聲山真正極楽寺
宗派:天台宗
拝観料:境内無料、本堂内部および書院、庭園のみ500円
拝観時間:9:00-16:00
住所:京都市左京区浄土寺真如町82

−真如堂への行き方−
京都市バス5、32、57、93、203、204系統で、「真如堂前」バス停下車、徒歩10分
・京都市バス5、17、32、57、93、100、102、203、204系統で、「錦林車庫前」バス停下車、徒歩12分

金戒光明寺から徒歩7、8分程度で行くことができます。
タグ:京都
posted by karesansui at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 京都(洛中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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