2006年12月26日

いざ鎌倉へ:第八回・報国寺

「いざ鎌倉へ」の第八回目は、報国寺(ほうこくじ)を取り上げます。

報国寺は、1334年(建武元年)に足利家時(足利尊氏の祖父)を開基として、開山に天岸慧広(仏乗禅師)を迎えて創建された、とされています。
しかしながら、足利家時は1284年(弘安7年)に自害しており、実際の開基は上杉重兼である、という説もありますが、実際のところは良く分かっていません(開山も開基も、亡くなった人を法嗣や子孫が追請するということは、時折見られるところです)。

報国寺が「竹の寺」または「竹寺」と言われる所以は、かつてあった休耕庵という塔頭の跡に孟宗竹が生えて竹林となり、それを整備して竹の庭として現在に至っているからです。

しかし、報国寺は竹の庭ばかりでなく、他にも庭がありますので、そこまで含めて取り上げたいと思います。


とはいえ、まずは竹の庭から。
houkokuji01.jpg
竹の庭は、参道の周囲を密集するかのように覆っている妄想竹と、その中に点在する灯籠が主な構成要素になっています。
また、庭の中に茶処があって、抹茶をいただくことができます(一服500円)。

竹の庭は、天気と季節にも因る部分はあるにせよ、実際には上の写真ほど明るい印象はなく、このようにもう少し薄暗い印象を受けると思います。
houkokuji02.jpg
ただ、夏は竹林の中に入るとひんやりと涼しく、目でも肌でも「涼」を感じることができると思います。

竹林の出口近くにある灯籠です。
houkokuji03.jpg
由来も由緒も分からない灯籠ですが、古びて苔の貼り付いた様が実に雰囲気あるものです。
竹の庭にはいくつも灯籠が建っていますが、この灯籠が最も良い雰囲気を持っていると思います。


こちらは、足利一族の墓とされるやぐらです。
houkokuji04.jpg
永享の乱(鎌倉公方足利持氏が、将軍足利義教の挑発に乗る形で兵を起こし、成敗された事件)の際、足利持氏の息子義久が報国寺に入って自殺しており、その墓もあるであろうとされています。

いずれにしても、このようなきちんとした墳墓の形でやぐらが残っているのはあまり多くなく、大変貴重なものだと思います。

こちらは、迦葉堂前の枯山水です。
houkokuji05.jpg
本来の見る向きではないと思いますが(迦葉堂から見る庭だと思います)、周囲の植え込みの鮮やかさとは対照的に、簡素で質素な庭であり、現在は坐禅会の会場として使われる(=修行の場所である)迦葉堂に相応しい庭になっていると思います。

向きを変えると、奥から手前に向かって水の流れを表しているのが分かると思います。
houkokuji06.jpg
写真真ん中の奥にある石がおそらく水分石で、そこからうねるように流れて大海に注ぐという構図になっています。
となると、植え込みの陰に滝を表す何かがあってもいいように思われます。

こちらは、前の写真のさらに奥に向かって左側にある、やぐらまで続く植え込みの庭です。
開山仏乗禅師の作庭とも言われていますが、報国寺が創建された翌年に仏乗禅師は亡くなっているので、信憑性がやや薄いかとも思います。
houkokuji07.jpg
様々な樹木が植え込みになっていて、特に季節の変わり目は色とりどりの姿で目を楽しませてくれます。
植え込みの影に隠れていますが、池が設えてあります。
当時の作庭技法通りなら、この池は心字池となるのでしょうけれども、ほとんど見えないので良く分からないのが少々残念ではあります。

もし作庭者に意図があったとすれば、やはりやぐらの主に対する思いの程くらいは込めたのではないかと思います。


境内の鐘楼です。
houkokuji08.jpg
葺かれた屋根と背後の銀杏が見事に調和して、とても風情を感じる場所になっています。
この鐘楼は、竹の庭に入る前に見ることになりますが、風情を感じるプロローグとしてこれほどのものはなかなかないかもしれません。


報国寺といえば、どうしても竹の庭のイメージが強く(確かに、夏にこれほど清々しい庭というのはそうそうないと思います)、他の部分が見逃されがちではありますが、こういう竹の庭以外の部分も含めて、是非ご覧いただきたいと思います。


−報国寺の概要−
寺号:功臣山報国寺
宗派:臨済宗建長寺派
拝観料:200円(庭園のみ有料)
拝観時間:9:00-16:00
住所:鎌倉市浄明寺2-7-4

−報国寺への行き方−
・鎌倉駅、金沢八景駅より京急バス鎌24系統で「浄明寺」バス停下車、徒歩3分
・鎌倉駅より京急バス鎌36系統で「浄明寺」バス停下車、徒歩3分

金沢八景駅からのバスは少ないので、鎌倉駅から行くのが無難です。


ラベル:鎌倉
posted by karesansui at 22:53| 京都 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 鎌倉(浄明寺・大塔宮) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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