2006年12月06日

京都の路地裏で:相国寺

71回目は、相国寺(しょうこくじ)を取り上げます。

相国寺は1382年(永徳2年)に時の将軍足利義満によって発願され、10年後の1392年(明徳3年)に完成した臨済宗相国寺派の大本山です。
開山は夢窓疎石ということになっていますが、夢窓疎石は所謂「追請開山」であり、実質の開山は春屋妙葩となります。これは、足利義満の請いに対して春屋妙葩が開山になることを「謙譲の徳が深いために」断ったからだとされていますが、春屋妙葩自身は足利義満の禅の指導者であり、政治との関わりがかなり深い人物であって、これを文字通りの「美徳」として受け止めることはあまりできないのではないかと思われます。

相国寺は創建後、2度の兵火と2度の失火で荒廃し、完全に再興なったのは西笑承兌和尚の時代(1585年(天正12年)から)になります。
その後、元和の大火と天明の大火で2度焼け(この際、法堂と浴室だけは残っています)、文化年間に方丈、開山堂などが再興されて現在に至っています。


まずは伽藍から。
こちらは法堂です。
shokokuji01.jpg
法堂は1605年(慶長10年)の再建です。
日本に残る最古の禅宗法堂建築であり、国の重要文化財に指定されています。

内部の狩野光信の天井画(八方睨みの龍)は必見だと思います。
また、この龍は「鳴き竜」としても有名です。


庫裏です。
shokokuji02.jpg
相国寺の庫裏は天明の大火で焼けており、この建物は文化年間の再建です。
「香積院」といい、禅院の庫裏としての特徴そのままの建物です。

浴室です。
shokokuji03.jpg
この浴室は「宣明(せんみょう)」と呼ばれています。
禅院の浴室は蒸気浴のみのものと湯をかけるのを併用するものとがありますが、この浴室は後者のものだそうで、中には湯を汲む場所が設けられています。


相国寺の庭園は、方丈の南、西、北に大きな庭が、東側には坪庭があります。

こちらは方丈南庭です。
shokokuji04.jpg
石が敷き詰められた簡素な庭ですが、禅宗の庭園としてはごくごく自然なものです(基本的に明かり取りを兼ねるため)。
後方に見える大きな建物が、前述の法堂です。

こちらは方丈西庭です。
松が植えられた簡素な庭です。
shokokuji05.jpg
この庭が、全く趣向の違う方丈南庭と裏方丈庭園の境界の役目を果しています。
方丈南庭の簡素さを受けつつ、裏方丈庭園の幽谷の味わいにつなげるための松が、庭園の連続に違和感を感じさせません。

こちらが裏方丈庭園(北庭)です(京都市指定名勝)。
shokokuji06.jpg
わざわざ谷を造って地割を立体的にするという手法は、枯山水ではあまり多くなく(石を立てて立体的にしたり築山を造るということはあるにしても)、大変珍しいものだと思います。
写真やや左奥の滝石組から水が流れ、写真右手に向かって流れていく、という趣向です。

川はだんだん流れが穏やかになり、最後には石組の橋の向こうへと流れていきます。
shokokuji07.jpg
桃山から江戸初期の気風よりは鎌倉、室町の気風に近く、夢窓疎石が作庭した庭園をイメージしたのかもしれないとも思われます。

方丈東側にあった坪庭です。
shokokuji08.jpg
こちらは見た限り本当に真新しい庭ですが、清楚な佇まいで大変落ち着きのある庭だと思います。
いずれはこの植わっている竹が伸びて、違う風景を見せてくれるのでしょうか。


相国寺には他に「開山塔庭園」もありますが、非公開となっています。
是非一度見てみたいと思います。

法堂の鳴き龍、浴室等々含めて、一度はご覧いただきたいところだと思います。


−相国寺の概要−
寺号:萬年山相國承天禅寺
宗派:臨済宗相国寺派(大本山)
拝観料:800円
拝観時間:10:00-16:30(16:00受付終了。拝観日が限定されています
住所:京都市上京区相国寺門前町701

−相国寺への行き方−
京都市営地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩10分
京都市バス51、59、102、201、203系統で、「烏丸今出川」バス停下車、徒歩10分
・京都市バス59、201、203系統で、「同志社前」バス停下車、徒歩7分
タグ:京都
posted by karesansui at 23:16| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 京都(洛中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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