2011年04月24日

若年寄の諸国で侘び寂び:瀧谷寺

全国展開の20回目は、福井県初の名勝指定を受けた庭園を持つ、瀧谷寺(たきだんじ)を取り上げます。

瀧谷寺は、1375年(永和元年)、紀州根来寺の睿憲上人によって創建されたと伝えられています。
以来、朝倉氏、柴田氏、松平氏等の歴代領主の祈願所となり、当時の繁栄の一部を今に伝えています。

瀧谷寺は歴史ある古刹であり、杉木立の「参道」は古の頃から変わらぬ姿を見せているとされています。
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さらには、興味深い建築もありますので、庭園だけでなく広く見ていきたいと思います。


こちらが「山門(鐘楼門)」です。
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柴田勝家が寄進したとされており、築400年を超える風格のある建築です。

本堂」は、江戸時代中期の建築です。
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本尊や花鳥図、山田鬼斎による欄間の竜の彫刻等、見るべきものは多いです。

観音堂」です。
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室町時代の建築ですが、寛文年間の改修で江戸時代の様式になっています。

石造りの「開山堂」です。
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中も石仏で、室町期から戦国時代にかけてのものとされています。
石造りというところがとても興味深く、雪深いこの地方の気候も関係しているかもしれません。

国指定重文の「鎮守堂」です。
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こちらは創建期の建築とされています。
室町の様式、神仏習合の名残等々、この小さな建築をめぐる興味は尽きません。


さて、前述の観音堂の前に展開されているのが、「石庭」です。
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九つの石を心字に配して観世音菩薩の慈悲を表す、とされています。
素朴で飾り気のない配置が、どことなく気持ちを引き締めるような印象があります。

本堂の裏手と客殿の周りに展開されているのが、「名勝庭園」です。
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池泉鑑賞式の庭園になっています。

築山がすぐ奥にあるためか、池は本当に小さなものとなっています。
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植栽が多いながらも周囲には石が立ち、眺めを引き締めています。

客殿」は1914年(大正3年)の建築です。
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そして、客殿に上がる階段があたかも石組であるかのように、庭の一部に取り込まれています。

客殿側から振り返って見ると、松に隠れた石などが見え、この庭の懐の深さが見て取れようかと思います。
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また、背後の槙などの巨木も、この庭の一部として認められるものではないかと思います。

この庭は植栽が多くて見えづらいのですが、築山の奥に三尊石と思われる石組があります。
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見上げる位置に三尊石を配するあたり、なかなか考えられた構図ではと思います。
しかしながら、この庭の作庭者は分かっていません。


宝物殿の側から参道を下ると、「龍泉庭」があります。
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こちらは、大振りな岩を生かした池泉回遊式の庭園になっています。

岩を見る限り、さほど歴史がなさそうにも見えますが、この場所は瀧谷寺の説明によれば『摩尼の宝珠が竜泉の池のほとりに落ちたという当寺開山の由来により、その霊地に造られたもの』だそうで、それなりに由来のある場所ということなのでしょう。
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水は枯れることなく滾々と湧いているそうです。

ただ、こちらの庭はそれにもまして陰陽が素晴らしいです。
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鬱蒼とした樹木の間から光が入り、楓などに色をつけている、あるいは池に明暗をつけているといったところは、このような木々の中の庭でなければ見られない風情ではないかと思います。


多種多様な魅力に満ちた瀧谷寺は、この地域を訪れた際には必見ではないかと思います。
そして何より、このような古刹が、紛争が多かったこの地域で残り続けていることを有難く思わなければいけないのかもしれません。


−瀧谷寺の概要−
正式名称:摩尼宝山瀧谷寺
宗派:真言宗智山派
拝観料:300円
拝観時間:8:00-17:00(11月-2月は8:00-16:30)
住所:福井県坂井市三国町滝谷1-7-15

−瀧谷寺への行き方−
えちぜん鉄道三国駅から徒歩5分
ラベル:福井
posted by karesansui at 22:03| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の地域 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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