2006年03月26日

京都の路地裏で「番外編」・霊鑑寺

「番外編」6回目は、椿と紅葉が美しい門跡寺院・霊鑑寺(れいかんじ)を取り上げます。

霊鑑寺は、1654年(承応3年)に後水尾上皇の勅許により、皇女多利宮を開山として建立されました。
以来、明治維新まで代々皇女、皇孫女が入寺されたので、「鹿ケ谷比丘尼御所」と呼ばれることもあったようです。

現在でこそ、「門跡」「尼門跡」という、皇孫が寺に入ることで寺格を高めるという機能はなくなっていますが、霊鑑寺は寺宝や書院など、尼門跡としての由緒、格式を伝えるものが多く、臨済宗南禅寺派の尼門跡寺院として、現在に至っています。

霊鑑寺は、殊に椿の寺として知られ、京都市指定天然記念物に指定されている日光椿(じっこうつばき)や数々の椿が配された庭園は見ものです。
以下、この庭園を中心に霊鑑寺を紹介していきます。


境内に入ると、まず目に入るのが散椿です。
reikanji01.jpg
通常、椿は花ごと落ちてしまいますが、この椿は花びらが散ります。その散り様もまた見事です。


庭園は、拝観においては池泉回遊式庭園(庭を歩いて見る庭園)というべき扱いになっていますが、実際には池泉観賞式庭園(=堂宇の中から見る庭園)のようです。

霊鑑寺の庭園です。
reikanji02.jpg
本来は水があるべき池ですが、枯れてしまっていて、一種の枯山水的な趣のある庭園になっています。
また、石橋や燈籠なども、この庭に趣きを与えています。

この写真の上側の方からなだらかな石組がされていますが、かつては水路でした。
reikanji03.jpg
当然、枯滝の石組ではなく、実際に水が落ちていたものです。

石組などを別の角度から見た写真です。
reikanji04.jpg
遠景に見る燈籠と、近景の苔、椿が対照的です。
やはり、霊鑑寺は、椿なしで語ることはできないでしょう。


背の高い椿には、たくさんの花が織り成す美しさが、そして落ちてゆく花の儚さがあります。
reikanji05.jpg
(こちらが、樹齢300年の日光椿になります。)


程よい背の椿は、じっくりと花を観賞するのに良いものです。
reikanji06.jpg
(こちらが先ほどの日光椿の「子供」にあたります)

reikanji07.jpg
(こちらは月光椿になります)


そして、散った花には椿の種類それぞれの風情があります。
例えば、日光椿の散った様は、他の椿とは少々違う趣があり、花の色が鮮やかです。
reikanji08.jpg

また、花の形がきちんと残ったまま散っていく花もあります。
reikanji09.jpg
そうしてみると、石組も苔も、すべて椿の添え物のように見えてくるから不思議なものです。


蹲に椿があると、椿がないときとは違う風情があります。
reikanji10.jpg
これこそが、霊鑑寺の本領というべきものでしょう。


これほどまでの椿の美しさだからこそ、拝観期間を短期に絞っているのではないでしょうか。
こういうお寺は、なかなか他では見られません。
是非訪れていただきたいと思います。


2005年4月9日拝観(京都市文化観光資源保護財団主催・尼門跡寺院「霊鑑寺」春の特別公開)
2007年4月1日拝観(京都市文化観光資源保護財団主催・尼門跡寺院「霊鑑寺」春の特別公開)


−霊鑑寺の概要−
寺号:円成山霊鑑寺
宗派:臨済宗南禅寺派
住所:京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町12

−霊鑑寺への行き方−
京都市バス32系統で「上宮ノ前町」バス停下車、徒歩5分
・京都市バス100系統で「宮ノ前町」バス停下車、徒歩9分
・京都市バス5、17、32、57、93、100、102、203、204系統で「錦林車庫前」バス停下車、徒歩11分
・京都市バス5、32、57、93、203、204系統で「真如堂前」バス停下車、徒歩9分
タグ:京都
posted by karesansui at 22:10| 京都 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 京都(東山) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
京都!
いいなぁ〜
いつか行ってみたいです。
素敵なブログですね。
Posted by ぽむぽむ at 2006年05月28日 06:47
コメントありがとうございます。
> ぽむぽむさん
京都はいいところですよ。
時間とお金ができたら、是非行ってみてください。
Posted by karesansui at 2006年05月28日 08:39
写真による素晴らしい京都散策ができました。
有難うございます。
今年の四月にミラノ日本文化協会のメンバーを25名連れて、日本へ行きました。日本のことを何十年も勉強している人たちだけに、それは充実した旅行となりました。その上、ほとんどの人が、日本人方の親切に助けられたそうで、一層忘れがたいものになったようです。
これからも良い作品を作ってくださいませ。
Posted by 安藤圭子 at 2006年08月08日 16:42
コメントありがとうございます。
> 安藤圭子さん
お褒めの言葉ありがとうございます。
更新頻度はなかなか上がらないですが、記事を推敲したり写真をよりよいものに差し替えたりして、このページを少しでもいいものにしていきたいと思っています。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
Posted by karesansui at 2006年08月09日 19:32
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