2004年11月11日

京都の路地裏で:毘沙門堂

32回目の今回は、桜の名所としては有名な、山科の毘沙門堂(びしゃもんどう)を取り上げます。

毘沙門堂は、正式には護国山安国出雲寺毘沙門堂といい、歴史は古く、奈良時代に行基が開いたといわれる、現在は天台宗の寺院です。
もっとも、出雲路に創かれた出雲寺は、戦乱のために伽藍が焼けてしまい、現在の毘沙門堂は、江戸初期に徳川家康に仕えた天海僧正が修復を祈願し、最終的には弟子の公海が1665年(寛文5年)に堂宇を完成させたといわれています(その後、御所から建物が移築されています)。
以来、天台宗の門跡寺院となりました。

そんな毘沙門堂を、桜を交えつつ紹介したいと思います。


毘沙門堂の参道は急峻な石段になっています。
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深い木立に包まれた参道は常に薄暗く、境内の四季折々の華やかさとは違う世界です。

石段を上がり、仁王門をくぐると、本堂が見えます。
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本堂前の霊廟造りの門は、京都の寺院では他に例を見ないもので、一見の価値があります。


毘沙門堂の本尊・毘沙門天は、最澄のお手製と伝わっています。
毘沙門天は四天王の一尊ですが、財を増やすことに利益があるとされた(もともとは戦勝祈願や国家、仏法の保護)ために単独信仰されるようになり、ちょうど最澄の頃が最も信仰されていた時期なのではないかと思われます。
毘沙門堂の毘沙門天は、国指定重要文化財となっています。


そして、桜の時期以外の毘沙門堂拝観の棹尾を飾る、晩翠園庭園です。
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心字池とサツキの刈り込み、そして観音堂が見事に調和しています。
観音堂の周囲に紅葉が植えられ、秋には立派な紅葉を見せてくれます。

池泉回遊式の庭園は、文字通り水に溢れていて、手水鉢越しに見る庭は、真正面から見るのとは別の風情があります。
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庭は歩くことができますが、このように別の方向から別の建物を見ると、全く別の庭のようにも見えます。
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宸殿には、狩野益信作の障壁画があり、騙し絵になっていて、「動く」ものなのですが、庭も見る側が動けばいろいろな表情を見せてくれます。


しかしながら、京都のお寺には旬があるといいますが、結局、毘沙門堂の旬は春の桜になってしまいそうです。
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何でもない庭までが、桜の花びらによって彩を加えられてしまう季節だからです。

毘沙門堂の境内には、そこここに桜が植えられています。
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その桜を見る人々の思いは様々ですが、桜は毎年変わることなく可憐な花を見せてくれています。
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特に、JR東海のポスターにもなった般若桜の見事な佇まいは、言葉を失って、ただ黙々と花を愛でる気持ちにさせられてしまいます。
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みんな、桜が好きなんだなぁと思える瞬間です。

枝垂桜らしい花のありようが、今後も末永く見られるといいとは思いますが、樹齢150年の木のことですので、いずれは衰えていくかもしれません。
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でも、それもまた桜の、そしてこの世の定めなんだと、桜の木は教えてくれているような気がするのです。


−毘沙門堂の概要−
寺号:護国山安国出雲寺毘沙門堂
宗派:天台宗
拝観料:500円(宸殿・庭園拝観の場合。境内は自由)
拝観時間:8:30-17:00
住所:京都市山科区安朱稲荷山町18

−毘沙門堂への行き方−
京都市営地下鉄東西線山科駅、JR西日本東海道本線(京都線)・湖西線山科駅、京阪電車京津線山科駅より、徒歩20分
ラベル:京都
posted by karesansui at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 京都(山科・醍醐) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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