2009年09月30日

若年寄の諸国で侘び寂び:常栄寺

全国展開の十三回目は、雪舟作庭と推定されている庭園を持つ常栄寺(じょうえいじ)を取り上げます。

常栄寺は、当時の周防守護・大内政弘が母の菩提を弔うために、自身の別荘を寺に改め、妙喜寺として創建されたと伝わっています。
その後、毛利氏の時代になって、毛利隆元(毛利元就の息子)の法名に因んで常栄寺と改称されました。


常栄寺には、雪舟庭と呼ばれる、室町時代の様式を色濃く残す庭園があります。この庭園を中心に、常栄寺をみていきたいと思います。


この「総三門」が、雪舟の世界への入口です。
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総三門を入ると最初に目に入ってくるのが、「円月庭」です。
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あまり「庭」らしくはありませんが、整えられた佇まいはやはり、庭のそれと言えるでしょう。


そして、「鐘楼門」をくぐって本堂へと入っていきます。
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本堂南側にあるのが、重森三玲作庭の石庭「南溟庭」です。
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白川砂で大海を、苔で海岸線を表す、枯山水らしい枯山水です。
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立った石組も重森三玲らしいもので、常栄寺は重森三玲と雪舟の競演という贅沢な空間になっています。
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雪舟庭」は、本堂の北側に広がっています。
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地割、石組、刈り込み、心字池などが高い次元で調和していると思います。

本堂の正面は中国の大陸を表象したものとされています。
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そして、その中に「富士山」を持ってきて、日本を示しています。

その素晴らしい庭園を額縁見立てにして見るのが、雪舟庭のひとつの贅沢な味わい方でありましょう。
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しかし、それだけでなく、雪舟庭は歩いても味わうことができます。
そして、特に心字池の石組をじっくり鑑賞したいものです。
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亀島は、いかにもそれらしい形をしていて、絵画的です。

そして、心字池の奥にも、力強い石組があります。
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十六羅漢、佛岩など、江戸時代以降の趣向に富んだ庭とは違う、室町時代の素朴な石組です。

そんな中でも、鶴島は折鶴で鶴を表現していて、独特の味わいがあります。
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これが東福寺芬陀院の鶴亀庭園の鶴と同じ手法で作られていることが、東福寺芬陀院庭園の雪舟作庭説につながってくるわけですが、真偽のほどは分かりません。

最後に、竜門之滝の石組です。
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竜門之滝、すなわち龍門瀑であって、これもこの庭園が室町時代に作庭されたことを示すものです。


実際、この庭園が雪舟の手になるのかどうかは分からず、「永遠の謎」といって良いかもしれません。
しかしながら、この庭園が室町時代に当時一級の作庭家によって行われ、今に伝わっているのも間違いないところであり、それが当時活動の中心を周防に置いていた雪舟だったとしても不思議ではないと思います。


−常栄寺の概要−
正式名称:香山常栄寺
宗派:臨済宗東福寺派
拝観料:300円
拝観時間:8:00-17:00
住所:山口県山口市宮野下2001-1

−常栄寺への行き方−
JR西日本山口線宮野駅より徒歩15分
・JR西日本新山口駅または「県庁前」バス停より防長交通「スポーツの森前」「宮野車庫」行(経由地に注意)に乗り、「雪舟庭入口」バス停下車、徒歩5分


ラベル:山口
posted by karesansui at 00:00| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の地域 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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