2006年01月21日

京都の路地裏で:宝筺院

63回目は、宝筺院(ほうきょういん)を取り上げます。

宝筺院は、平安時代に白河天皇によって建立された「善入寺」を前身とします。
その後、衰退していましたが、南北朝時代に至って夢窓疎石の高弟・黙庵周論禅師が善入寺に入り、復興しました(黙庵禅師が中興開山となります)。

室町幕府二代将軍足利義詮は、黙庵禅師に帰依しており、善入寺の伽藍整備に力を貸しました。
その結果、総門、山門、仏殿、庫裏、禅堂、方丈などが建つ立派な禅宗寺院となりました。
義詮の死後、足利義政の時代に善入寺は、義詮の院号「宝筺院」に因み、「宝筺院」に名を改めました。

しかし、応仁の乱以降は寺領が横領されるなどの憂き目に遭い、経済的に困窮して衰微の一途を辿ります。
江戸時代以降は天龍寺の末寺となり、伽藍も客殿と庫裏のみになり、幕末には廃寺となりましたが、五十数年後に復興されました。
現在は、臨済宗系の単立寺院となっています。

宝筺院は紅葉の名所として知られていますので、紅葉の庭園を中心に紹介します。


宝筺院も、一直線に伸びた「参道」が印象的です。
hokyoin00.jpg
そして、その参道はもちろん、赤く染まっています。


近年造られた枯山水庭園、そして紅葉の向こうに見えるのが、「本堂」です。
hokyoin01.jpg
現在の建物は、1916年(大正5年)に復興なった後で新築されたものです。
本尊として古仏の木造十一面千手観世音菩薩立像を祀っています。
しかし、本堂よりも紅葉の赤が目立つのは、紅葉の寺の宿命でしょうか。

こちらは「客殿」です。
hokyoin02.jpg
客殿側は苔が多く、本堂周辺とはやや違う味わいになっています。

前述の枯山水庭園も、赤く染まることについては全く同じです。
hokyoin03.jpg

苔の上の散り紅葉が鮮やかな色のコントラストを為しています。
思わず立ち止まってしまう瞬間です。
hokyoin04.jpg

これらはすべて、秋、しかも晩秋だけしか見られない、一瞬だけの味わいです。
hokyoin05.jpg
しかしながら、紅葉のピークに合わせて訪問するのもなかなか難しいことであります。
偶然の賜物・・・というしかないでしょう。


季節の変わり目というものは、決してとどまることがなく、流れるように進んでいくことを示してくれているという意味でも、素晴らしい庭だと思います。
紅葉が美しい寺は、すなわち新緑が美しいということでもありますので、梅雨前あたりの眩い緑もなかなか良いのではないかと思います。
近隣の清涼寺ともども、ゆっくり訪れたい場所です。


−宝筺院の概要−
宗派:臨済宗系単立寺院
拝観料:400円
拝観時間:9:00-17:00(冬季は9:00-16:00)
住所:京都市右京区嵯峨釈迦堂門前南中院町9

−宝筺院への行き方−
京福電車(嵐電)嵐山駅から徒歩9分
JR西日本山陰本線(嵯峨野線)嵯峨嵐山駅から徒歩8分
京都市バス28、91系統で、「嵯峨釈迦堂前」バス停下車、徒歩3分
京都バス61、62、71、72、81、90系統で、「嵯峨釈迦堂前」バス停下車、徒歩3分
ラベル:京都
posted by karesansui at 22:23| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 京都(洛西) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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