実光院は、魚山大原寺の僧院として、建立の時期は明らかではありませんが、良忍が出た平安時代末期、宝泉院とほぼ同時期ではないかと推測されます。
実光院は、もともとは道を挟んで向かい、現在の大原陵(後鳥羽上皇陵・順徳天皇陵)の地にありましたが、大正8年に、同じく勝林院の塔頭だった普賢院と理覚院を併合して移転し、現在に至っています。
実光院では、その経緯から、旧普賢院の庭園と旧理覚院の庭園を見ることができ、この2つの庭園が主な見どころといえると思います。
まずは、池泉回遊式の庭園になっている、「旧理覚院庭園」から見ていきます。
こちらは、理覚院の廃寺後荒れていたものを、近年に前住職が作庭しなおしたものとのことです。
西側(写真奥側)の山を借景にするため、木々の高さを低くしているのが特徴です。
この庭は池泉回遊式庭園ですので、池は歩いて見に行くことになります。
庭園には多数の木々、草花が植えられていて、四季折々、様々な表情を見せてくれます。
特に、庭の中央にある不断桜は、初秋から春まで花を咲かせる珍しい桜で、実光院では紅葉狩りとお花見を同時に楽しむことができます。
そして、外から客殿などを見通すことができます。
すぐ隣の宝泉院の、額縁や格子から見立てるのとは異なる、開放的な風情が印象的です。
こちらが、「旧普賢院庭園」です。
名前を「契心園(けいしんえん)」といい、池泉鑑賞式の庭園になっています。
石塔がある側を浄土、心字池の手前側を俗世間に見立てています。
写真左側の滝近くには、蓬莱石組が施されています。
また池の島を亀に、築山の松を鶴に見立てた鶴亀庭園でもあります。
こちらの庭園を眺めていると、静寂の中を唯一滝の音が聞こえてきます。
耳でも目でも楽しめる、感ずるところの多い庭園だと思います。
実光院では、他に声明の楽器を見ることができます。
良く見る西欧式の楽器のとの違い(ある意味、全く別物です)は、なかなか興味深いです。
声明の音、そして滝の音。
庭を感ずるのは必ずしも目だけではないということが、実光院の庭園が教えてくれることなのではないかと思います。
−実光院の概要−
宗派:天台宗
拝観料:600円(お薄と和菓子をいただけます)
拝観時間:9:00-17:00
住所:京都市左京区大原勝林院町187番地
−実光院への行き方−
・京都バス16、17、18、19系統で「大原」バス停下車、徒歩10分
タグ:京都


> tmさん
写真を拝見させていただきました。
表札や木の様子が今とどう違うかは失念してしまいましたが、建物の雰囲気は今と変わりませんね(建て替えていないので当然ですが)。
写真を拝見させていただきましてありがとうございました。
> 東野隙人さん
正直のところ、今は仏教の価値というものは正確に伝えられていない(無論、伝える側の怠慢が主な原因でしょう)と思います。
それでも、庭というものが持つ不思議な魅力というものは普遍的なものであって、そういう魅力を少しでも伝えられればと思ってこんなものを書いている次第です。
今後とも宜しくお願い致します。